ニュースレター Vol.113

世界の医療事情

世界の医療事情Vol.4~世界と比べて日本の医療体制は?~

世界の中でもトップクラスの医療制度を誇る日本。主要国の中では日本が 最も病床数が多く、CTやMRIなど高度医療機器の導入数もアメリカの倍 以上です。

しかし医師の数は日本が一番少なく、アメリカの5分の1程度。反対に薬剤師の数は最多となっています。

日本は今後、高齢化や人手不足が進むため、診療体制の効率化はさらに必須になりそうです。

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民間の医療保険は月10万円ほどかかり、保険の審査も厳しく、太りすぎていると通らないことから、無保険の人が多 いアメリカ。治療費の高さから、受診率は一人あたり年平 均4回ほどしかなく、市販薬がよく使われています。

入院費 は相部屋でも1泊10万円はするので、病院そばの安ホテル から点滴をぶら下げて通院する人も少なくないのだとか。またアメリカでは医師が狙われる事件も多発しており、病院では郵便物の開封は慎重に行われているそうです。

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イギリスでは地域のかかりつけ医によるプライマリ・ケアが確立されており、専門医にかかる際も、かかりつけ医の 紹介がなければ受診できません。国営の病院は一部の眼科や歯科、処方箋以外は不妊治療なども無料ですが、政府の医療費カットによる人手不足が深刻化。数週間∼数カ月も予約がとれずに症状を悪化させる人が多く、「医療崩壊」が 問題となっています。そのためアメリカと同じく、風邪や腹痛などは市販薬で治すことが多いのが現状です。

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都市部の病院は混雑が激しく、病院の前では病人の家族が 寝袋やテント持参で順番待ちをし、ベッドが廊下にまで並んでいるという中国。注射は腕ではなくお尻に打つのが一般 的で、点滴や漢方薬がよく用いられます。入院中は食事が出ず、看護師による介助もないので、身の回りのお世話は家 族がするのが基本。治療費は保険証についているプリペイド機能でも支払えますが、踏み倒しを防ぐために、診察や 検査の費用は前払い制になっている病院も多いようです。

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病院への受診率が一人あたり年平均14.6回と、日本の 12.9回を上回る「医療大国」の韓国。医療制度は日本と似ていますが、クリニックでも混合診療が許容されています。美容に関心の高い人が多いため、脂肪を溶かす注射の人気 が高く、疲労回復時の点滴も広く浸透しています。また韓 国は日本以上にストレス社会といわれており、怒りを溜め込みすぎて身体に症状が出てしまう人も多く、漢方医が頼りにされています。