ニュースレター Vol.116

世界の医療事情

世界の医療事情Vol.7~各国の最先端の動物医療~

犬や猫も人間と同じ大切な命として、動物医療の分野でも先進医療が 進化しています。高額の治療費がかかりますが、それでも「家族の一員 だから健康で長生きしてほしい」「 ペットの生活の質を維持したい」と考える飼い主が増え、最先端医療が求められています。

今回は各国の 動きをお伝えします。

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7割の世帯がペットを飼っているペット大国のアメリカ。動物 の先進医療も進んでおり、犬のかゆみ止めや猫の骨関節炎痛のバイオ薬などの研究も盛んです。

日本でも犬や猫の幹細胞を 使った椎間板ヘルニアや脊椎損傷の再生医療が注目を集めて いますが、アメリカでは犬や猫自身の幹細胞を約1000ドル(約 11万円)で生涯にわたって預かる「幹細胞バンク」のサービス が始まっており、避妊・去勢手術の際に、希望であれば幹細胞 採取を選択できます。すでに多くの犬や猫が処置を受けており、今後はさらに広がっていくでしょう。

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中国は近年、経済の発展に伴い、社会的ステータスのひとつとしてペットを飼う人が増えています。その一方で、クローンによる犬や猫の製造が商用目的で行われており、犬の場合で38 万元(約600万円)、猫は25万元(約400万円)ほどかかります が、中国全土から問い合わせが相次いでいるそうです。

死ん でしまった愛犬や愛猫を蘇らせようとするだけでなく、優秀 な警察犬など特殊な才能の職業動物を増産するためにもクローン犬が生み出されており、生命倫理の観点からさらなる議 論が必要だといえそうです。

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犬も長寿化が進み、人間同様に認知症が増加していますが、韓国の製薬会社が犬の認知症治療薬の臨床試験に成功しま した。アルツハイマー型の認知症などに対して、抗酸化作用と消炎作用のある薬剤が神経細胞に作用し、認知機能を 改善させます。

飼い主を認識できないほど重度の認知障害の 犬48匹を対象に臨床試験を実施したところ、投薬4週目からすべての犬に改善がみられ、8週目には飼い主にしっぽを振るなど確かな効果があることがわかりました。副作用もなく安全性が高いため、数年後の商品化が待たれています。

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古くからメディカルハーブ(薬草)が親しまれ、ハーブの有効 性を確認する科学的研究も進んでいるドイツ。

過去10年間 農薬不使用の畑で栽培され、含まれる薬効成分値が基準をクリアしたメディカルハーブのサプリメントは、「医薬品」として区分されています。動物用のサプリメントの認可基準 も厳しく、犬や猫の健康管理にもサプリメントを用いること が一般的。

効き目の強いものもあるため、動物病院では病状 に合わせて処方されており、現代医学と組み合わせた「統合 医療」が実践されています。